C6の持病の一つであるコラムロックが解除できないトラブル。
コラムロックとは所謂ハンドルロックの事で大体の市販車に標準装備されている防犯装置だ。
しかしコルベットC6においてはその防犯装置がオーナーに牙を剥く。
コラムロックを作動させるとステアリングがそれ以上回転しないようにロックがかかる。
物理的なロックはそれだけだがコルベットC6の場合はエンジンスタートの電気信号も遮断される。
つまり、エンジンがかからなくなる。
先述の通り物理的ロックもかかっているためステアリングも切れなくなるという状況。
ある意味では最強の防犯性能。

致命的な欠陥とも思われるがリコール対象となっているのは一部の生産車両のみ。
海外のコミュニティサイトなどを見るとリコール対象外の車両でも発生しているという報告が見受けられる。
今回はそのコラムロックをそもそもキャンセルしてしまおうという内容のDIY記事だ。
※メーカーが推奨している内容ではないのであらかじめご了承ください。
用意するもの
コラムロックをキャンセルするにはコラムロックエミュレータという部品が必要になる。
エミュレータとは車両側に「コラムロックが正常機能している。」と認識させるというもの。

部品はZIP Corvetteで購入。
1週間ほどで到着した。
純正部品ではないので恐らくGMディーラーでは入手不可能。
他にもWestCoastCorvetteでも取り扱いがある。
エミュレータの取り付け
作業前にステアリングの高さを一番下、一番手前に調整してスペースを確保しよう。
メータークラスターを外す
メーター周辺を覆っているパネルは全部クリップ止め。
スイッチ類のカプラーが背面に3箇所ある。
ディスプレイスイッチ用のカプラーが硬くて外せなかったのでスイッチごと外した。
ビス止め×3が左右。

メーター本体取り外し
7mm×4箇所
上下でボルトの長さが違うので注意。

メーター本体を取り外すのは少しコツがある。
ダッシュボード側のメーターカウルは手で押し上げるとわずかにクリアランスができるのでメーターをスルッと引き抜く感じだ。
無理にガチャガチャやるとキズがついてしまうため気になる人は養生しておくのがよいだろう。
コラムロックモジュールユニット
下画像の中央に移っているコラムロックモジュールユニットを引き出す。
手前のフックを外して上方に引っ張る感じ。

ここまで外したらACCをON。
メーターインフォメーションに「Acc Mode On」と表示される。
その状態でコラムロックモジュールユニットに刺さっている4ピン(紫、黒、緑、オレンジ)のカプラーを外す。
するとメーターインフォメーションの表示が「Service Column Lock」に変わる。

先ほど外した4ピンのカプラーの代わりにエミュレータを接続する。
接続したらACCをOFF。
もう一度ACCをONにしてメーターインフォメーションが「ACC Mode On」の表示になれば成功。
取り外したメーターや周辺のパネル類は逆手順で復元して完成。
作業時間は初回で約1.5時間くらいだった。
まとめ
コルベットは日本国内でも流通数が少なく正規ディーラーでもマイナートラブルにはなかなか手こずることもあるようだ。
私は海外のフォーラムサイトの情報をメンテナンスの参考にしてきた。
当然全て英語なのだが結構マイナーな情報も乗っている。
興味のある方は覗いてみるのもおススメだ。
コラムロックキャンセル=ハンドルロック機能は失われるので防犯性能は劣る。
冒頭に触れたとおりメーカーが推奨している対策ではないので実施するなら自己責任。
出先で立ち往生するのは避けたという方は参考頂ければ幸いだ。

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