【過去愛車レビュー】管楽器として楽しむZ33の魅力。

クルマ

23歳のとき、人生で初めて新車を購入した。

社会人2年目だった。

学生時代からコツコツと続けた貯金と初のボーナスを頭金に入れて残りはローン。

気合の60回払い。

若気のいたりである。

購入したクルマはZ33型フェアレディZ。

グレードは金色のブレンボキャリパーが輝くバージョンS。

色はワルく見えそうという理由からダイヤモンドブラックを選んだ。

若気のいたりである。(2回目)

そのクルマは私が30歳になるまで7年間所有した。

今回は20代というかけがえのない時間をささげたZ33の魅力について。

音を楽しむ

一番気に入っていたポイントは音である。

とはいってもスピーカーやオーディオシステムなどではなくエキゾーストノート。

つまりクルマが発する音だ。

クルマの声ともいっていい。

私の所有していたZ33は中期型でエンジンはVQ35DEだ。

このパワーユニットは同時期のスカイラインやエルグランドなどにも搭載されていたエンジン。

オッサンエンジンと揶揄されることもあった。

Z向けに細かな調整がされていたらしいが、アクセルON時の吹け上がりは全体的にモッサリしていて排気音はお世辞にも官能的とは言えなかった。

ところが少し手を加えるだけで激変する。

それが、、、サクラムサイレンサー(マフラー)。

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昨今のZ33事情は詳しくないが、当時は結構人気があり生産が追い付かないということもあった。

このマフラーの何が画期的だったかというと、まるでフェラーリのような音を奏でることができるのだ。

フェラーリオーナーから鼻で笑われそうだが、ノーマルのVQ35DEの音を知っているとその変化に驚愕する。

ただしマフラーを変えただけでは完成しない。

官能サウンドを奏でるには等長エキマニが必要となる。

サクラムが推奨していたのはマキシムワークス製。

MAXIM WORKS |

この2つを得ることでZ33のエキゾーストはまるで管楽器のように激変するのだ。

思えば私がYouTubeで初めて視聴したのがサクラムサイレンサーの音という動画だった。

まだYouTubeってホームビデオの延長みたいな時代だったのよ。

感慨深いなぁ。

官能音のヒミツ

人の耳が心地良いと感じる音には法則性がある。

それは倍音。

下は基音と倍音の図だ。

倍音とは

(引用:大阪教育大学)

フェラーリなどが奏でる「クゥォーーーン!、クゥワァーーーーーーーン!!」といった音はこの倍音というものが影響している。

私は音の専門家ではないので詳しい説明は割愛するが

3倍音、4倍音となるほど澄んだ音色になると捉えてもらえればいい。

そしてこの倍音のメカニズムを研究して作られたのがサクラムサイレンサーなのだ。

もっと詳しく知りたいというエンスージアストはサクラムのHPをご覧になるといいだろう。

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追加トッピングはお好みで

人の感覚というのは千差万別。

ラーメンでも麺固め・脂多め・味濃いめが好きという味覚の人がいる。

聴覚についても同じだ。

若かりし頃の私はサクラムサイレンサー+マキシムワークスの等長エキマニという均等の取れた組み合わせでは満足できなかった。

そのためYパイプをアミューズ製のチタンモデルに変更。

さらにHKSメタルキャタライザーで排気効率をアップ。

メーカー推奨のバランスをあえて崩し、悲鳴のような音を奏でながらZで通勤していた。

直管ヴィヴィオに乗る近所のお兄ちゃんから「イイ音してるっすね」と激励されたことを覚えている。

尚、TOMEIパワードの触媒ストレートを装着したこともあったがダメ。

音が割れてしまい官能サウンドが台無し。

さすがにやりすぎと若いなりに反省した。

かけがえのないもの

今夜しかない。

同じ夜は二度とやってこないんだ。

人の一生はあっという間に過ぎていく。

20代がもつ活力、エネルギーはそのとき限りのものだ。

歳をとってからどれだけ金を積んだとしても取り戻すことはできない。

その日が二度とやってこないのと同じように20代という時期は人生で一度きりだ。

私はその貴重な20代をZ33に捧げた。

多くの友人達が家庭を築き、新たな道へ舵を切っていくのを見届けながら、、、

得たものと失ったものどちらが大きいのか。

そんな疑問は無粋であり愚問だ。

私はZ33のオーナーであったことをただ心から誇りに思っている。

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