クルマはそれぞれが世界観をもっているというお話

クルマ

私はかつてコルベットC6のオーナーであった。

念願かなってようやく手にした1台だ。

しかし所有できるようになるまでには紆余曲折あったのである。

今回はそれを交えて「クルマはそれぞれが世界観をもつ。」という話をしたいと思う。

妥協という判断

私はコルベットに憧れを持ちつつも、土壇場で違うクルマを選んだ過去がある。

この経験で「周りがよいという価値観と自分の価値観は必ずしも一致しない。」ということを私は学んだ。

ちなみに選んだクルマはBMW E92 335i


愛好家の方々には大変無礼な話となってしまうが、ここを伏せてしまうと話全体がボヤけてしまうのであえて車名を出させて頂く。

まず素晴らしいクルマだった。

機械として工業製品として文句のない完成度。

質実剛健とした作り、パワフルな走り、行く場所すべての空間と調和する。


何の不自由も不便もなかった。

だが、何か不満が残っていた。

本当はコルベットが欲しかった。

でも自分に維持できるだろうか。

自信が無かった。だから諦めた。

しかしこれで良かったのだ。

みんなからも「いいクルマだね」と言われる度、自分は正しい選択をしたのだと。

どこか晴れない気持ちを抑え込むような日々が続いた。

ここで簡単にスペックを比較してみよう。

数字だけでは分からないもの

車種コルベット_C6BMW_335i_E92
駆動方式FRFR
排気量6L NA3L ターボ
馬力404HP306HP
トルク55.6Nm40.8Nm
ボディ2シータークーペ2by2クーペ

カタログスペックだけ見れば、コルベットでなければならない理由は一見なさそうである。

馬力の差はあれど、ほぼ乗用域で使うことを考えると335iでも満足できるのではないか…

しかし、私の欲しかったのはコルベットがもつ「自由」、「おおらか」、「個性的」といった世界観だった。


もちろん、335iにもコルベットとは異なる世界観があり、人々を魅了し続けているのは言うまでもない。

だが、その時の私は335iにコルベットの世界観を求めてしまっていた。

今思えば、それが不満の原因だったのだろう。

そんなことに漠然と気づき始めていた頃、以前顔を出していたアメ車販売店から電話があった。

手頃なコルベットが入荷したとのこと。まだその気があるなら見てみないかとお声がけ頂いた。

早速、現車確認をして車両も予算も問題無し。

だが…即決…できなかった。

少し手を伸ばすだけ

最終的には会社の同僚に背中を押され、念願のコルベットオーナーとなったわけなのだがやはりどこかでビビっていた。

クルマを買うだけなのに。それ以上の覚悟がいるような、後戻りできないような、そんな雰囲気を感じていた。

スペックのみを比較した場合と数字上に表れないそのクルマがもつ世界観を加味した比較では話が全く変わってくる。

自分の価値観x世界観 これが求めるものであるかどうかが大事である。

散々、偉そうにクルマの持つ世界観と言ったが、それだって人それぞれの価値観によるものであるし年齢や生活環境によって変わるもの。

今しかない!というクルマがもしあって、あと少し手を伸ばすだけなのであれば

妥協の選択をしないことを私はおススメしたい。

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