今回はドライブレポート。
クルマはミッドシップレイアウトとなって生まれ変わったコルベットC8。
私はかつて6世代目のコルベット(C6)を8年間所有していた。
“Corvette freak”
こう自負するのは何かくすぐったいし諸先輩方から叱責されるかもしれない。
しかし、好きという気持ちだけはロッキー山脈くらいデカい。
「あなたの寿命があと1年だとしたら、何をやり遂げたいですか?」
先日読んだ本の一節。
ありきたりな質問ですが胸に手をおいて考えたとき、居ても立っても居られなかった。
webで調べてみるとオリックスレンタカーで借りられるではないか。
特殊なクルマだけあって他のレンタカーに比べてかなり割高。
しかし「コルベットに…乗りたい…!」その気持ちが私の背中を押した。
感想
しっかりコルベットだった。
特にハイウェイドライブでのフィーリング。
どこまでも加速するような力強さに目を引かれるが、ゆっくり流すもの楽しいクルマ。
ずっと乗っていたい、ワクワクした気持ちになるという感覚は私の知るコルベットそのものだった。

一方、ミッドシップ化によるパフォーマンス向上はワインディングで存分に感じることができた。
私が乗っていたC6より重量は約170kg重く、全幅は約100mm大きくなっているがクルマとの一体感があった。
そしてやっぱり外観がサイコー。
「カッコよさをストレートに表現しました」と言わんばかりの見た目。
ジェンダー差別な表現になるが男はみんな好きだろう。
店舗~高速道路
今回借りた車両は2023年式のクーペ。レッド×ブラックの内装がスポーティ。

オリックスレンタカー羽田店から首都高速K1羽田ランプまではわずか1.5km。
店舗を出発して間もなく高速に乗る。
【K1羽田線下り】
この道路は一定の間隔で路面のつなぎ目がある。
ダンパー減衰力とスプリングレートのバランスが悪いとフワフワと余韻が残ってしまう。
しかしコルベットC8はそれが全くない。
「タタン、タタン」と上手くといなしている印象だ。
【生麦JCTからK7経由で東名高速 名古屋方面】
周りの流れに合わせるためスピードを上げる。
少しアクセルを踏んだだけでグイグイ加速する。
大排気量エンジンのトルクを改めて体感できた瞬間だった。

3車線になり他のクルマがバラけたところでレーンチェンジを試す。
クルマの挙動はすぐに安定し全体的にフラットライド感がある。
ドライブモードをスポーツに変えてみた。
ステアリングが重くなりエキゾーストノートが大きくなる。
ツーリングモードではやや軽く感じたステアフィールだったが、しっかりと手ごたえを感じるようになった。
【小田原厚木道路を箱根方面】
ここからは東名高速よりも路面がやや荒れている。
しかし大き目のギャップを拾った際でも何事もなかったかのように走破していく。
ボディの剛性感が高くサスペンションがしっかり機能している証拠だ。
ワインディング
【箱根新道】
タイトコーナーではC6と比べてシャープに動く。
車幅は1940mmと大柄だがボディの大きさは感じない。
やはりミッドシップ化でmassを中央に集めた恩恵は大きい。
ブレーキのタッチは非常によく、カッチリしていて安心感がある。
【芦ノ湖スカイライン~箱根スカイライン】
あいにく濃霧により視界は最悪。
しかしスピードを出すだけがスポーツドライブではない。
以前プロドライバーからコーチングを受けたことを思い出しながら走った。

クルマが今どんな姿勢なのかを常に意識してドライブする。
ブレーキ、ステアそしてアクセル。
どの操作をすればどんな挙動になるのかをイメージし運転する。
そう、クルマとの会話を楽しむのだ。
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市街地走行
箱根スカイラインを抜けて御殿場市街に入る。
ロードサイド店舗のウインドウにC8が映る。
こんなクルマに乗っているのかという高揚感が溢れてくる。
スーパースポーツの外観をしているC8だが市街地走行もそつなくこなす。
こういったドライバーフレンドリーなところにもコルベットらしさを感じた。
ふと、運転している雰囲気が何となくC6と似ていることに気づく。
そして以前読んだ書籍のことを思い出した。
C8はフロントウインドウからステアリングまでの距離が長い。従来のFRの雰囲気を残したいというメーカー側の意図だろう。それのせいでミッドシップパッケージを活かしきれていない。引用:福野礼一郎 スポーツカー論1
なるほど。たしかに言われてみればダッシュボードが長い。

攻めきれていない設計と言われればそうかもしれない。
しかし従来のコルベットを知る者としてはこういった「○○らしさ」を意識しているメーカーの姿勢は高く評価したい。
気になった点
・ルームミラー
C8はリアカメラの画像をモニターで移す形式になっている。
自車のボディが映らないので距離感を把握するのに少し慣れが必要。

・パドルシフト
操作した際に発生する「カチッ」という軽い音がチープに感じる。

・左後方の視界
ほぼ見えない。
このクルマに実用性を求めるのは野暮というものだが、歩道をまたいでガソリンスタンドなどに入る際はかなり気を使う。

・エンジンのメカニカルノイズ
低速低回転時に「シャッ、シャッ」というノイズが車内に響きやすい。
これはC6もそうだったがミッドシップになってより聞こえやすくなってしまった。
信号で止まった際に何だか安っぽく感じてしまうのが残念。

終わりに
パフォーマンスに対するコスパがよいと評されるコルベットC8。
だがプライスは1000万を軽く超え、決して安い買い物ではない。
2シーターで実用性など皆無であり誰でも乗れるクルマではない。
「乗れない→興味がなくなる→好きでなくなる」というダウンスパイラルに落ちかけていました。
現実的に乗れるor乗れないと好きであることは本来別のはず。
今回のドライブで気持ちを再確認。
またコルベットが好きになりました。

この記事がコルベットファンや乗ってみたいと興味を持っている方の参考になれば幸いです。
以上、【コルベットC8】元C6乗りによるドライブレポート という内容でした。
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