世の中には2種類のクルマが存在する。
それは「屋根が開くクルマ」と「開かないクルマ」である。
日本では前者のことをまとめてオープンカーと呼称することが多い。
しかし世界を見渡すとメーカーや車種によってカブリオレ、コンバーチブル、ロードスターといった風に様々な呼ばれ方をしている。
今回は【知らなくたって困らない】オープンカーの呼称についてのお話。
まずは代表的な呼称を一覧にしてみた。
名称 |
カブリオレ |
コンバーチブル |
ロードスター |
スパイダー |
バルケッタ |
ドロップヘッド |
なんで呼び方が違うの?
クルマが「屋根を開けられる」or「屋根を閉められる」どちらのコンセプトで作られているかが重要となる。
「屋根を開けられる」クルマはカブリオレやコンバーチブルと名がつくものが多い。
屋根を開けて解放的な気分になれることに重きが置かれている。
そのためクローズドボディのグレードが別で設定されている。

一方、ロードスターやスパイダーは「屋根を閉められる」クルマ造りがされている。
走りを楽しむことを主目的とし軽量化の為に屋根は無く、簡易的な幌を備えている。

バルケッタは小舟、ボートという意味のイタリア語。
それが転じて2シーターのオープンカーに採用されるようになった。
そういう意味では「屋根を閉められる」部類になる。(画像引用:wikipedia)

古き良き伝統
ドロップヘッドは古来イギリスで幌付きの屋根の無いクルマ(もしくは馬車)を表す言葉。
ロールスロイスは今もこの呼び名を採用している。(画像引用:wikipedia)
同社のクルマといえばラグジュアリーカーの最高峰。
タイムを削る為の軽量化といった行為とは無縁であろう。
そのためコンセプト的には「屋根を開けられる」になりそうだが「ファントム・カブリオレ・クーペ」だとなんかしっくりこないのは私だけではないはず…
奥ゆかしき伝統を継承し続ける者として古式の名を与えるセンスは流石といったところ。

クルマの歴史について
さて少し時代について触れて結びとしたいと思う。
エンジン出力の限界が現在と比べて低くかった時代。
重たい屋根を装着することはイコール走行性能を低下させることでもあった。
そのためクルマと言えば簡易的な幌が取り付けられているオープンカーが主流だった。

時代が進み、快適性や安全性の向上のため金属製ハードトップが装着されるようになる。
そして次第にモノコックボディが支配的となっていく。
しかし、人々は忘れていなかった。
車内から空を見上げた爽快感を。
風を切って走る疾走感を。
自然と一体になる感覚。これは人が生まれ持った本能なのだろう。
EVや自動運転化が急速に進む時代においても、オープンカーは今後も存在し続けるに違いない…

それではまた。
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