車検完了……のはずが、最後に待っていた凡ミス。

<クルマと向き合う、日々の記録>

車検&整備でディーラーへ愛車メガーヌを預けて数日。

ディーラーから特に連絡はなかった。

ということは、何事もなく車検&整備は終わったのだろう。

……そう思いクルマを引き取りにいった、とある連休の出来事。

連休の風景

SNSを見ていると、たまに「男が興奮するワード」といった、しょうもないタイムラインが流れてくる。

「3連休」

このワードは、男性のみならず人類が興奮するワードのかなり上位にランクインすると思われる。

火星を目指すよりも先に、週休3日を実現することこそ我々人類の使命だと思っている。

世の中の賢い人たち、よろしく頼む。

さて、ディーラーへ向かう道中。

横転車1台、中央分離帯への乗り上げ1台、軽微な接触事故1件と、連休と夏の訪れを実感させられる光景を目の当たりにする。

休みが1日増えただけで、なぜこんなにポンコツが増えるのか。

人類には、まだ週休3日は早いのかもしれない。

ところで、代車のミサイルプリウスは実に快適だ。

無味無臭。

ワクワク感は皆無だが、移動手段としては限りなく理想のカタチと言えるだろう。

正直、世の中のクルマ全部これでよくない? と思ってしまう。

自分がクルマ好きでなければ、確実にそう思う。

むしろ、そこまでクルマに興味がない人たちが、わざわざ輸入車に乗る心境が理解できん。

そんなことを考えていたらディーラーへ到着。

アクセルとブレーキを踏み間違えないよう慎重に駐車スペースへ忍び寄る。

フッ、この最新鋭ミサイルプリウスは無味無臭どころか、ほぼ無音。

圧倒的ステルス性能を誇る。

気付かれることはないはず。

……ところが。

店内から受付スタッフが飛び出してきた。

バカな!

レーダーには映っていないはず!

ヤツはニュータイプか?!

素直に諦めて、

「おはようございます。車検で預けていたクルマを取りに来ました。」

「お待ちしておりました。どうぞ店内へ。」

これぞ、フランス流

ここまではいつも通り。

まったく問題ない。

さて、今回はどんなポンコツ劇が待っているのか。

「あっ、いらっしゃいませ。」

やって来たのは、いつもの営業マン。

「今、おクルマを準備しておりますので少々お待ちください。あっ、よろしければこちらをどうぞ。」

この猛暑のなか、チョコをいただく。

訪問者をお菓子でもてなすというのがフランス流のようだ。

待っている間、店内を少し見て回る。

このキャップ、いいな。

7,260円か……。

あっ、このキーホルダーもいいな。

自分はオシャレセンスゼロ人間だが、なんとなく「さすがフランス」という感じがする。

しばらく店内を散策していると、挙動不審な営業マンの姿が目に入った。

どうやら自分を探しているようだ。

これは失礼しました。

席へ戻る。

「あっ、大変お待たせしました。こちらが今回のご請求金額になります。」

どういう整備を行ったのか、クルマの状態はどうだったのか、気づいた点はあったのか、といった説明はなし。

特に期待もしていなかったので、金額が合ってればいいやと思ったが、見積もり金額と違う。

約1万円高い。

この金額を大きいと見るか、些細なことと見るかはそれぞれだと思う。

しかし、問題は何の確認も無しにしれっと出てきたことだ。

流石にこれはいかんぞ。

フランス流なのかもしれんが。

指摘すると、

「えっ、あっ、あのっ、確認して参ります。少々お待ちください。」

156年後。

「ほんっとうに申し訳ございません。事前見積もりでお出しした3月時点の金額になっておりまして……。」

このディーラーには3月に事前見積もりを出してもらっていた。

その際、「4月から価格が変動する可能性があります」との注記があった。

物価高の昨今、それ自体はおかしな話ではない。

しかし、6月に改めて見積もりを依頼した際は金額に変化がなかった。

入庫時にもその金額で確認済み。

誰がどう見ても、ただの凡ミスである。

もしかすると、こんなことをいちいち気にするのは日本人くらいで、フランス人は気にしないのかもしれない。

冒頭でも触れたように、日常で使うクルマなんてプリウス1台あれば十分。

それでも輸入車を選ぶ人は、その国の文化や価値観も含めて楽しんでいる人が多いと思う。

だから、このポンコツっぷりもフランス流。

「当社はそこまで含めて提供しております!」

と言われれば、「お、おう……。」となるかもしれないが、ちょっとね。

営業マンの表情はどんどん曇っていく。

間違いは誰にでもある。

最悪、「まぁ、しょうがないよね」で済ませることもできた。

あるいは差額分をノベルティグッズで相殺します、なんて提案でもいいかと思った。

結局、差額分は後日指定の銀行口座へ返金という形で話がまとまった。

学びはあったか

振り返ってみれば、4月から値上がりするかもしれないという情報を知りながら、6月の見積もり金額が変わっていなかった時点で、「あれ?」とうっすら違和感はあった。

それでも「まぁいいか」と流してしまった。

理由は簡単。

営業マンとの関係が築けていなかったからだ。

例えば、自分が好印象を持っている受付スタッフが相手なら、

「値段変わっていないけど、本当に大丈夫ですかね?」

という一言くらいは掛けていたかもしれない。

以前にも記事にしたが、今は指先ひとつで何でも買える時代だ。

商品説明なんて受けなくても、情報はいくらでも手に入る。

だからこそ、人からものを買う理由は「人」なのだと思う。

値段でも、性能でもない。

人と人との信頼関係。

今回の車検で、一番印象に残ったのはそこだった。

次は我が身かもしれないのだから。

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